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自社の強みを見つける「SWOT分析」のすすめ

  • 執筆者の写真: 智史 長谷川
    智史 長谷川
  • 6月13日
  • 読了時間: 4分

更新日:4 日前


〜経営戦略の第一歩を踏み出すフレームワーク〜


「うちの会社の強みって何だろう?」

「もっと効果的に売上を伸ばせないか?」


そう感じたことはありませんか?


経営をしていると、日々の業務に追われ、じっくり自社のことを振り返る時間が取れないことも多いものです。


ですが、環境変化が激しい今、自社の立ち位置や方向性を見直すことは、安定経営と成長のために欠かせません。


そこでおすすめしたいのが「SWOT分析」です。


この記事では、SWOT分析とは何か、どう活用するのか、実践事例も交えながらわかりやすく解説します。



記事要約


  • SWOT分析とは? 自社の「強み」「弱み」「機会」「脅威」を整理するフレームワーク

  • 経営戦略の土台に 強みを活かし、外部環境に対応するヒントが得られる

  • 中小企業でも簡単に実践可能 スタッフと一緒に取り組めば社内の意識改革にも



本文


SWOT分析とは?


SWOT分析とは、以下の4つの視点から自社を分析する手法です。

分析要素

内容

視点

Strength(強み)

自社の強み・得意分野

内部要因

Weakness(弱み)

弱点や課題

内部要因

Opportunity(機会)

市場のチャンス・外部からの追い風

外部要因

Threat(脅威)

リスク・競合・外部の変化

外部要因


この4つを整理することで、自社の立ち位置を客観的に見つめ、戦略的に行動するための材料が得られます。


具体的な進め方


ステップ1:目的を明確にする

まず、「何のためにSWOT分析をするのか」を決めましょう。

例:

  • 新商品の企画を考えるため

  • 業績改善の糸口を探すため

  • 新規事業の検討のため

  • 販売戦略を見直すため


ステップ2:現状を整理する

自社の内部・外部に関する情報を集め、以下のように項目を埋めていきます。

強み(Strength)

弱み(Weakness)

地元での知名度が高い

デジタルマーケティングに弱い

長年の顧客基盤

若手人材の採用が進まない

職人技術に定評あり

原価管理が不十分

機会(Opportunity)

脅威(Threat)

EC需要の拡大

同業他社の低価格化

インバウンド回復の兆し

人件費・物価の上昇

補助金制度の拡充

法改正による規制強化


ステップ3:クロス分析で戦略を導く

SWOTの4象限を組み合わせて、自社が取るべき戦略を導きます。

戦略

内容

攻撃戦略(S×O)

強みを活かして機会を活かす戦略

改善戦略(W×O)

弱みを克服しつつ、機会を活かす戦略

防衛戦略(S×T)

強みで脅威に備える戦略

撤退/回避戦略(W×T)

弱みと脅威が重なる部分は縮小・回避


SWOT分析の事例(製造業:金属加工業)


背景

売上が頭打ちとなり、次の展開を考えていた地元密着の金属加工業A社。社内会議でSWOT分析を実施。


分析結果

強み(S):高精度な加工技術、熟練の職人、BtoB取引での信頼

弱み(W):自社での営業力が乏しい、ウェブ対応が不十分

機会(O):国内製造回帰の動き、地方創生プロジェクトへの参加

脅威(T):中国企業の価格攻勢、部材価格の高騰


戦略立案

  • S×O戦略:職人技術を活かして「試作専門部門」を設立。ニッチ需要に対応

  • W×O戦略:クラウド型受発注システムを導入し、営業機能を補完

  • S×T戦略:品質の高さを強調するPR動画を作成し、価格以外の強みを訴求

  • W×T戦略:汎用製品の製造から撤退し、高付加価値の受注へ集中


SWOTクロス分析表(戦略マトリクス)


強み(S)


高精度な加工技術、熟練の職人、BtoB取引での信頼

弱み(W)


自社での営業力が乏しい、ウェブ対応が不十分

機会(O)


国内製造回帰の動き、地方創生プロジェクトへの参加

S×O戦略


職人技術を活かして「試作専門部門」を設立。ニッチ需要に対応

W×O戦略


クラウド型受発注システムを導入し、営業機能を補完

脅威(T)


中国企業の価格攻勢、部材価格の高騰

S×T戦略


品質の高さを強調するPR動画を作成し、価格以外の強みを訴求

W×T戦略


汎用製品の製造から撤退し、高付加価値の受注へ集中


SWOT分析のポイントと注意点


  • チームで行うのがおすすめ:複数人で意見を出すと、思わぬ強みやリスクに気づけます。

  • 定期的に見直す:環境は常に変わるため、半年〜年1回の見直しが効果的です。

  • 数値化できるとベター:売上、シェア、顧客数などデータで裏付けできると説得力が増します。



よくある質問(Q&A形式)


Q. SWOT分析に専門知識は必要ですか?

A. いいえ、社内の現場を知るメンバーであれば実施できます。外部の専門家のサポートがあればより効果的です。


Q. 自社の強みが分からないのですが?

A. 顧客の声を聞くのが近道です。「なぜ選んでくれているか」を整理すると見えてきます。


Q. SWOT分析をしたあと、どうすれば?

A. 導き出された戦略をもとに、目標と行動計画に落とし込みましょう。PDCAサイクルで進捗を管理するのがおすすめです。



まとめ


SWOT分析は、自社の「立ち位置」と「進むべき方向」を整理する強力なツールです。

外部環境に振り回されるのではなく、主体的に戦略を選び取る力がつきます。

中小企業や個人事業主でも手軽に活用できるので、ぜひ一度取り組んでみてください。



試してみよう!SWOT分析3ステップ


  1. A4用紙を4つに区切り、SWOTの枠を作る


  2. 自社・自分の現状を書き出してみる(スタッフと一緒にやるのも◎)


  3. 書いた内容をもとに、何ができそうかアイデアを出してみる


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