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不動産特定共同事業の分配金 ― 「任意組合」と「匿名組合」で税金が変わる!
最近、「 少額から不動産に投資できるサービス が増えています。 こうした仕組みは「不動産特定共同事業(不特事業)」と呼ばれますが、実は 契約の形によって、投資家の税金の扱いが大きく変わる ことをご存じですか? 今回は、不特事業の2つの契約形態──「任意組合」と「匿名組合」──の違いと、税金への影響をわかりやすく解説します。 要約 不特事業は、不動産をみんなで出資して運用・分配する仕組み。 契約の形によって「不動産所得」か「雑所得」になる。 節税を考えるなら、契約内容の確認がとても大切。 本文 不動産特定共同事業とは 不特事業とは、複数の投資家が出資し、その資金で事業者(不特事業者)が不動産を取得・運用し、賃貸収入や売却益を分配する仕組みです。 少額から始められる点が人気で、最近はクラウド型の投資サービスも増えています。 しかし、「どのような契約を結ぶか」によって、税金の種類が変わります。 任意組合契約型とは 任意組合契約型では、 投資家が共同で不動産を所有・運用する イメージです。 実際に不動産を保有しているのは投資家たち(組合員)で、賃貸収益も
11月6日読了時間: 3分
東京高裁が判断「保険外交員にも個人事業税」
ニュース概要 (出典: 東京高等裁判所 2025年10月02日(令和7年(行コ)第105号) ) 2025年10月2日、東京高等裁判所は、 保険外交員が受け取る報酬に対して個人事業税を課すことができる と判断しました。 原告となった保険外交員19名が東京都の課税処分の取消しを求めていましたが、東京地裁に続いて高裁でも敗訴。 つまり、「外交員の仕事は地方税法上の“代理業”にあたるため、個人事業税の対象になる」という結論です。 判決は今後、 フリーランスや業務委託契約で働く人たちにも影響 する可能性があります。 1. そもそも「個人事業税」とは? 個人事業税は、 事業を行っている個人 に課される地方税です。 たとえば、美容院、飲食店、運送業、設計事務所など、「事業を営んでいる」と認められる場合に課税されます。 税率は事業の種類によって異なり、多くの場合、 利益の5%程度 が目安です。 一方で、「給与所得者(会社員など)」は個人事業税の対象外です。つまり、働き方が“事業主なのか・従業員なのか”で税金の扱いが変わるわけです。 2. 今回の争点:「代理業」
11月6日読了時間: 4分
台風被害を受けたときの所得税の軽減措置とは?【雑損控除と災害減免法の違い】
近年、地球温暖化の影響で台風の大型化・頻発化が進んでいます。 特に2025年も秋にかけて勢力の強い台風の上陸が懸念されています。 もし自宅や家財が被害を受けた場合、経済的な損失だけでなく、税金の負担も心配になります。 そんなときに活用できるのが、所得税法による「雑損控除」と、災害減免法による「所得税の軽減・免除」です。 この記事では、両制度の仕組みや選択のポイントをわかりやすく解説します。 記事の要約 台風など自然災害で自宅や家財が被害を受けた場合、「雑損控除」か「災害減免法」による軽減が可能。 所得や被害の程度によって、どちらを選ぶかで減税効果が異なる。 国税庁の確定申告書等作成コーナーで、有利な方を自動判定できる。 台風などの災害時に受けられる2つの税の軽減制度 自然災害で住宅や家財が損害を受けた場合、所得税法または災害減免法に基づく軽減措置を利用できます。 両者の概要と違いを整理してみましょう。 所得税法による「雑損控除」とは 生活に通常必要な資産(住宅・家財など)が台風などの災害により損害を受けた場合、次のいずれか多い金額を所得から控除で
11月3日読了時間: 4分
社内コンテストの賞品は課税対象?非課税所得との違いをわかりやすく解説
社内活性化の一環として、社員から新しい企画や改善提案を募る「社内コンテスト」を行う企業が増えています。 優秀な提案に賞金や賞品を贈るのは自然な流れですが、実はこの「賞品」には 所得税の課税 が発生するケースが多いのをご存じでしょうか? この記事では、創業記念品や永年勤続表彰との違いを踏まえ、 社内コンテストでの課税関係 を整理します。 (参考) ・国税庁HP:No.2591 創業記念品や永年勤続表彰記念品の支給をしたとき ・国税庁HP:所基通23~35共-1 使用人等の発明等に係る報償金等 記事要約 社内コンテストで支給する賞金・賞品は原則「課税対象」 創業記念品や永年勤続表彰などの記念品は一定要件を満たせば「非課税」 コンテストの内容によっては「給与所得」か「一時所得」に分かれる 社内コンテストの賞品はなぜ課税されるのか 会社が従業員に与える経済的利益は、原則として課税対象です。 ただし、例外的に「創業記念品」や「永年勤続表彰」のように 社会通念上相当とされる記念品 については、一定要件を満たせば非課税とされています。 一方で、...
10月28日読了時間: 4分
社員旅行、参加率50%未満でも「給与課税なし」になるケースとは?
―国税庁が示した新たな判断基準と実務対応のポイント― 記事要約 国税庁は、社員旅行の参加割合が50%未満でも「給与課税の対象外」とできる場合を明示。 参加率だけでなく、旅行の目的・内容・費用負担などを「総合的に勘案」して判断する必要。 実務上は、福利厚生規程や企画目的の明確化、費用の適正配分が重要。 ニュース概要 国税庁は、従来「参加者50%以上」を要件としていた社員旅行の非課税判断について、 参加割合が50%未満でも給与課税の対象外となる場合がある との見解を示しました。 具体例では、参加割合38%・3泊4日・費用総額15万円(会社負担7万円)というケースを挙げ、「社会通念上一般に行われているレクリエーション旅行」であれば非課税とされています。 ただし、これは「38%でOK」という単純な基準ではなく、 旅行内容全体を総合的に判断する必要 があります。 (参考) ・ 国税庁タックスアンサーNo.2603「従業員レクリエーション旅行や研修旅行」 ・ 従業員の参加割合が50%未満である従業員レクリエーション旅行 中小企業経営者・起業家への影響 1.
10月23日読了時間: 4分
外国法人と交わす契約書の「作成場所」に注意 ― 印紙税の課税を回避するための実務ポイント
記事要約 日本国内で作成された契約書は印紙税の課税対象となるが、国外で作成された場合は非課税。 外国法人と契約を交わす際には、「どこで作成されたか」を証明できる記録を残すことが重要。 郵送記録やメールの保存、契約書への「作成場所」明記が有効な対策。 ニュース概要 (出典:税務通信 第3866号(2025年9月8日)) 税務通信の記事によると、外国法人と契約書を交わす際に「作成場所」が日本国内か国外かで、印紙税の課税有無が大きく異なる点が改めて指摘されています。 印紙税法は日本の国内法であり、国内で作成された文書にのみ適用されるため、国外で作成された契約書は課税対象外です。 しかし、契約書の調印日や送受信の流れだけでは「国外で作成された」と証明することは難しく、税務調査時に問題になるケースもあります。 印紙税の基本と「作成場所」の考え方 印紙税は、一定の「課税文書」が日本国内で作成された場合に課される税金です。 例えば、日本法人が外国法人と取引契約を結ぶ際に、次のような流れで契約書を交わすことが多く見られます。 日本法人が契約書を2通作成し、署名・
10月16日読了時間: 3分
令和8年から「二重扶養」問題に本格対応へ
扶養控除の重複適用を防ぐための新システム導入 記事要約 ・令和8年(2026年)から、自治体間で扶養情報を共有する新システムが導入。 ・住民税側での「二重扶養」チェックが強化され、国税(所得税)にも情報が共有される。 ・年末調整や確定申告での扶養控除の誤りが、後日自動的に是正される可能性が高まる。 ニュース概要 (出典:税務通信 第3864号 2025年8月25日) これまで、別々の市町村に居住する家族が同じ親族を「扶養親族」として申告しても、自治体同士が情報を共有できず、扶養控除の重複(いわゆる「二重扶養」)が見抜けないケースが多くありました。 たとえば、A市に住む兄とC市に住む妹が、それぞれB市在住の母親を扶養親族として申告した場合、自治体間で連携がなければ重複が判明しませんでした。 この課題に対応するため、令和8年から新しい情報連携システムが導入されます。 各自治体は中間サーバーに扶養関係情報を登録し、他の自治体と照会することで、 重複扶養を容易に把握できる仕組み が整います。 重複が判明した場合は、どちらの扶養が正しいか確認・是正され、そ
10月16日読了時間: 4分
フリーレントの税務ルールが明確に!2025年度から新しい取扱いに
記事要約 「フリーレント(家賃が一定期間無料)」の法人税処理ルールが新設 2025年(令和7年)4月以降の事業年度から、「賃料総額を期間で割って費用にできる」 中小企業でも、会計処理とそろえて対応できるようになる ニュース概要 (出典:税務通信 第3862号・国税庁...
10月13日読了時間: 3分
国税庁が「全税目」でオンライン調査を開始― 令和7年9月から段階的にデジタル化が本格始動 ―
記事要約 国税庁は2025年9月から、法人・個人を問わずすべての税目で「オンライン調査」を段階的に開始。 メール・Web会議・オンラインストレージを活用し、税務調査の効率化を図る。 納税者にとっても「非対面・効率的な調査対応」が可能となる一方、IT環境整備が課題に。...
10月13日読了時間: 4分
2024年税制改正|暗号資産の「評価方法・みなし譲渡・届出」を実務目線で総ざらい(法人向けやさしいガイド)
会社で暗号資産(仮想通貨)を保有・活用するケースが増えています。 一方で「どう評価する?」「いつ届出?」「区分が変わったら課税は?」と、税務の実務は意外と落とし穴だらけ。 2024年(令和6年)税制改正では、 特定譲渡制限付暗号資産...
9月17日読了時間: 5分
海外出張費用の税務取扱いを解説
近年は中小企業でも海外の取引先や展示会を訪れる機会が増え、従業員や経営者自身が海外出張に出かけるケースが一般的になってきました。 しかし、出張にかかる費用は「全額会社経費」と思われがちですが、税務上は 損金算入できる部分と給与課税となる部分がある ため注意が必要です。...
9月12日読了時間: 3分
年収の壁はどう変わった?最新の所得税・社会保険料改正まとめ
「パートの収入を106万円に抑えている」 「子どものアルバイト代を103万円以下に調整している」 ――こうした声をよく耳にします。いわゆる 「年収の壁」 の問題です。 これまで世帯の手取りを守るために、多くの家庭や事業主が就業調整を行ってきました。...
9月9日読了時間: 4分
出張手当は課税される?非課税にするためのルールと実務ポイント
「社員に出張手当を出したいけど、税金はかかるの?」 「旅費規程って作らないとダメ?」 そんな疑問を持つ経営者の方は多いのではないでしょうか。 実は、出張手当は正しいルール(旅費規程)を整えて支給すれば、所得税が非課税扱いになります。...
9月2日読了時間: 3分
初めて従業員を雇うときに必要な会社の手続き・準備
「そろそろ従業員を雇いたい。でも、どんな準備や手続きが必要なのか不安…」 初めての採用では、社会保険や税務署への届出だけでなく、雇用契約書や労務管理の体制整備など、会社として行うべきことが数多くあります。 本記事では 、 会社が対応すべき準備・手続きをまとめ ました。...
8月27日読了時間: 4分
中小企業向け賃上げ促進税制のポイントと実務対応(令和6年4月1日から令和9年3月31日までの間に開始する各事業年度)
「賃上げをしたいけれど、資金繰りや利益の圧迫が心配…」 多くの中小企業経営者が抱えるこの悩みに対し、国は 税制優遇策 で後押しをしています。 それが「中小企業向け賃上げ促進税制」です。 令和6年度の改正により、控除率の大幅拡充や未控除額の繰越し制度が整備され、活用メリットが...
8月27日読了時間: 3分
非居住者から物件を借りるときの税務トラブル防止策
最近、ニュースやSNSで「外国人オーナーから物件を借りたら突然100万円請求された」という話題が取り上げられました。 実はこれは珍しいことではなく、「貸主が非居住者である場合」に誰にでも起こり得るトラブルです。 特に、 法人がオフィスや社宅を借りる場合...
8月21日読了時間: 2分
交際費・会議費・福利厚生費の違いと正しい経理処理のポイント【中小企業向け】
経費処理において「これは交際費?それとも会議費?福利厚生費?」と迷うことはありませんか? 特に中小企業や個人事業主にとって、税務上の取扱いを誤ると経費として認められない可能性があります。 この記事では、それぞれの違いと判断基準、正しい処理方法について実務目線でわかりやすく解...
8月1日読了時間: 3分
輸入取引における仕入税額控除の仕組みと実務ポイント
海外から原材料や商品を仕入れるとき、必ず関わってくるのが「消費税」です。 輸入の際は、国内仕入れとは違う計算が行われ、税関で消費税を納めるケースが多いです。このとき適用されるのが「輸入取引の仕入税額控除」という仕組みです。...
7月25日読了時間: 4分
税務調査が入りやすい会社の特徴とは?今すぐ見直したいポイント
「うちは小さな会社だから関係ない」と思っていませんか? 実は税務調査は規模に関係なく、どの会社にも訪れる可能性があります。 そして、 ある特定の特徴を持つ会社ほど、税務調査の対象になりやすい傾向があります。 調査を避けることはできませんが、調査を“呼び込みやすくする”要素を...
7月3日読了時間: 5分
海外サービス利用時に注意!「リバースチャージ方式」とは?仕組み・会計処理・対応ポイントを徹底解説
Meta広告やshopfyなど、海外のデジタルサービスを使う機会が増えた現代。 実は、こうした取引には「リバースチャージ方式」という特別な消費税制度が適用される場合があります。 知らずに処理を間違えると、税務調査で指摘されることも…。...
7月2日読了時間: 5分
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