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繁忙期・閑散期に合わせた広告戦略―ムダな広告費をゼロにし、成果を最大化する方法―

  • 執筆者の写真: 智史 長谷川
    智史 長谷川
  • 11月21日
  • 読了時間: 5分


「広告費をかけても売上につながらない」

「繁忙期と閑散期で、広告の効果が大きく違う気がする」


多くの中小企業が悩む“広告費の最適化”。しかし悩みの根本原因は、広告タイミングと事業サイクルが一致していないこと にあります。


実は、繁忙期と閑散期では広告戦略の「目的」も「効果」もまったく別物。


この記事では、広告費をムダにせず、繁忙期には売上を最大化し、閑散期には顧客を育てる戦略的広告運用の考え方 をわかりやすく解説します。



記事の要約


  1. 繁忙期は「刈り取り広告」、閑散期は「育成広告」で役割を分けると費用対効果が最大化する。

  2. 閑散期に顧客データを蓄積し、繁忙期に効率的に獲得する仕組みが最も強い広告運用。

  3. AI広告・CRM連携・SNS運用を組み合わせると、少額でも大手と戦える広告戦略になる。



繁忙期と閑散期では「広告の目的」が違う


まず最初の落とし穴は、繁忙期も閑散期も同じ広告を出してしまうこと。

事業のシーズナリティに広告戦略を合わせると、売上も利益も大きく改善します。


ポイントは以下の通りです。

  • 繁忙期:売るための広告(刈り取り)

  • 閑散期:顧客を育てる広告(認知・興味喚起)


この区別ができるだけで、広告戦略は劇的に変わります。



繁忙期の広告戦略:売上を最大化する“刈り取り広告”


繁忙期は、需要が自然と高まる時期。このタイミングで行うべき広告は 「すぐ買う人を取りに行く広告」 です。


繁忙期に最適な広告の特徴

  • 明確なオファー(期間限定・数量限定)

  • リスティング広告・DM・リターゲティング広告など、即効性が高い媒体

  • 予算は“削らない”ほうが効果的

  • 自社サイト・LPの改善とセットで実施すると効果が跳ね上がる


繁忙期の広告例

  • Googleリスティング広告(今すぐ買いたい人)

  • Meta広告のリターゲティング(過去に訪れた人)

  • LINEクーポン通知(既存顧客)

  • セット商品の訴求(粗利改善に直結)


繁忙期の広告は ROI(投資対効果)が非常に高いので、広告費は“コスト”ではなく“投資”として扱うのが正解です。



閑散期の広告戦略:顧客を育てる“育成広告”


閑散期に売上を求めて広告費を使うと、ほぼ確実に赤字です。この時期に必要なのは、将来の繁忙期に成果が出る布石づくり です。


閑散期に最適な広告の特徴

  • 認知目的(ブランド理解)

  • 教育コンテンツ(SNS・ブログ・動画)

  • お金をかけるより“時間をかける”

  • メール・LINE・SNSで接点を維持

  • 低コストでデータを集める


閑散期の広告例

  • SNSのショート動画を継続投稿(ブランド構築)

  • ブログのSEO強化(繁忙期の検索流入向上)

  • Instagram広告でフォロワー獲得

  • メールマガジンやLINEで教育コンテンツ配信

  • ホワイトペーパー、無料相談、無料講座などのリード獲得コンテンツ


閑散期は、“お金を使って売る時期”ではなく、無料で接点を増やし、顧客を育てる時期です。



繁忙期 × 閑散期の「年間広告設計」


以下のように組み合わせると、少額でも回る広告運用が実現します。

時期

目的

施策

予算

繁忙期

売上最大化

リスティング、リタゲ、DM

高め

閑散期

顧客育成

SNS・ブログ・SEO・フォロワー獲得

低め

四半期

体制強化

CRM整備、LP改善、顧客分析

中程度


広告を“年間の仕組み”として運用すると、広告効果が毎年積み上がり、競合と差が広がります。



AI広告の活用で費用対効果が劇的に上がる


近年の広告運用では、AIがどこまで使えるかが勝敗を決めます。

具体的にできることは以下の通りです。

  • AIによる広告入札最適化(Google・Metaの自動化機能)

  • AI予測で繁忙期・閑散期を事前に把握

  • ChatGPTで広告文・LP原稿を自動生成

  • CRM × AI分析で顧客の購買タイミングを予測


大手企業が使っている仕組みも、いまは中小企業でも使える時代です。



事例:サービス業B社の広告改善例

課題

  • 閑散期に広告を打っても反応が薄い

  • 繁忙期は忙しいのに広告を止めていた(機会損失)

  • SNSが育っておらず、顧客との接点が薄い


実施した施策

  • 閑散期:SNS動画を毎週投稿し、フォロワーを増加

  • 閑散期:SEO記事を増やす

  • 繁忙期:リスティングとリターゲティングに集中投下

  • CRM整備し、既存顧客へLINE配信


結果

  • 広告費は前年比 89%削減

  • 売上は前年同期比 132%増

  • 新規顧客の 68%がSNS経由または検索経由 に変化



補足:広告戦略で失敗しないためのポイント

  • 閑散期に“売上を狙う広告”を出さない

  • 繁忙期に広告費をケチらない

  • SNSは「閑散期が勝負」

  • LINE・メールなど“自社媒体”を育てる

  • AI広告の自動化設定は必ず使う(特にGoogle)


広告は「出すか出さないか」ではなく、“いつ・何のために出すか”が重要。



よくある質問(Q&A)


Q1. 広告予算はいくら必要ですか?

A. 繁忙期は売上の3〜10%、閑散期は1〜3%が目安です。


Q2. SNS広告と検索広告はどちらが優れていますか?

A. 時期によります。 繁忙期は検索広告、閑散期はSNS広告が効率的です。


Q3. 広告を完全にAIに任せても大丈夫ですか?

A. 運用自体は可能ですが、戦略設計は人間が必要です。



まとめ


  • 繁忙期は「刈り取る広告」

  • 閑散期は「育成する広告」

  • 年間設計により広告費のムダがゼロになる

  • AI・SNS・CRMを組み合わせると少額でも勝てる


広告戦略は、売上の波をならし、利益を最大化する最強の武器です。



試してみよう(3つ)


  1. 繁忙期・閑散期のカレンダーを作り、広告目的を分ける

  2. 繁忙期だけ広告費を2倍にしてみる(効果測定)

  3. 閑散期にSNS投稿を週3回行い、フォロワーを増やす


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