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習慣の力と金利の力を味方につける:小さな積み重ねが事業成長を生む理由

  • 執筆者の写真: 智史 長谷川
    智史 長谷川
  • 11月7日
  • 読了時間: 3分

事業を継続的に成長させる経営者ほど、「一発逆転」よりも「小さな積み重ね」を重視します。

習慣の力と金利の力は、一見異なる分野に見えますが、どちらも時間を味方につけて成果を拡大させる複利の法則に基づいています。


この記事では、この二つの力を「事業成長」という視点でどのように活かせるか、また逆に働かせないためにはどうすればよいかを具体的に解説します。



習慣の力を経営に活かす:組織を強くする仕組み化


経営においても「習慣化」は極めて重要です。

成功している企業ほど、良い行動や思考が仕組みとして定着しています。


1. 経営者の習慣が会社の文化をつくる

  • 毎朝の数字確認、感謝のメッセージ、1on1ミーティングの習慣化など、トップの行動は社員に伝播します。

  • 「行動の型」が組織文化を形成し、社員の行動判断を自然と良い方向へ導きます。


2. 継続的な改善(Kaizen)も習慣化の力

  • トヨタの改善活動が象徴するように、「昨日より少し良く」が積み重なると競争力になります。

  • 経営会議で“課題を1つだけ改善する”ことを習慣にするだけでも、1年後には50以上の改善が蓄積されます。


3. 習慣の「見える化」で継続を促す

  • 日報などを活用し、習慣を可視化。

  • 「できた日」を積み上げることでモチベーションが維持されます。



金利の力を経営に活かす:お金にも“時間の味方”をつける


お金の世界で複利は「雪だるま式に増える力」です。

経営においても、同様の効果を得ることが可能です。


1. 利益を再投資する複利の経営

  • 利益を経営者の報酬としてすべて引き出すのではなく、一定割合を事業に再投資する。

  • 再投資の対象は、人材育成・ブランド・システム化・研究開発など。

  • 小さな投資が積み重なることで、企業の“基礎体力”が指数関数的に伸びていきます。


2. 顧客関係にも複利が働く

  • 新規顧客の獲得コストは既存顧客の5倍といわれます。

  • 既存顧客への継続的フォローや小さな満足体験の積み重ねが、「紹介」や「再購入」という形でリターンを生みます。


3. 借入の金利は“逆複利”の代表例

  • 高金利での借入やリボ払いは、利息に利息がつき、返済が膨らむ仕組み。

  • 複利を味方につけるには、「借金を減らし、利益を増やして回す構造」をつくることが鍵です。



習慣と金利の共通原理:時間を味方にする経営


どちらにも共通するのは、短期的な結果を求めず、長期的な積み上げで成果を出すという考え方です。

観点

習慣の力

金利の力

成果の源泉

行動の積み重ね

再投資・複利効果

重要な要素

継続・仕組み化

時間・再投資

結果が出るまで

遅いが確実

遅いが安定的

逆効果になると

悪習慣・浪費

借金・利息負担



悪い習慣・短期志向は“逆複利”になる


短期の利益追求や感情的な経営判断は、長期的には企業の体力を奪います。

  • 悪い習慣の複利:遅刻・後回し・ネガティブ思考 → 組織の生産性を徐々に低下させる。

  • 資金繰りの逆複利:高コストの借入・リボルビング債務 → 支払利息が利益を食い尽くす。


一見「小さなズレ」でも、数年後には取り返しのつかない差を生むことがあります。

経営者こそ、良い習慣と健全な資金循環を設計する必要があります。



まとめ:事業の成長は“複利的に積み上がる”


  • 経営とは、「時間を味方にできる仕組みをつくること」。

  • 習慣化によって組織文化が成熟し、複利運用によって資本が厚みを増す。

  • 両者の共通点は「継続・仕組み・時間の活用」。

  • 逆に、短期志向・悪習慣・浪費は“逆複利”として事業を蝕む。


成功する経営とは、良い習慣と健全な資金の複利を回し続けること。



試してみよう(実践のヒント)


  1. 「週1改善」の習慣をつくる:経営会議で1つだけ改善策を実行。

  2. 利益の10%を再投資するルールを設定。

  3. 良い習慣と悪い習慣の棚卸しを行い、1つずつ改善。


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