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フードバンクへの食品寄附は損金になる?寄附金・廃棄損・広告宣伝費の違いを整理

  • 執筆者の写真: 智史 長谷川
    智史 長谷川
  • 2025年12月15日
  • 読了時間: 4分

物価高や社会的支援ニーズの高まりを背景に、企業による「フードバンク」への食品提供が注目されています。


一方で、実務上の疑問として「この食品提供は寄附金になるのか、それとも損金として処理できるのか」という税務上の取扱いです。


本記事では、国税庁質疑応答事例をもとに、

フードバンクへの食品提供について

・寄附金になるケース

・廃棄損として損金算入できるケース

・広告宣伝費として処理できるケース

を整理し、中小企業・食品関連事業者が実務で判断する際のポイントをまとめます。




【記事の要約】


・フードバンクへの食品提供は原則「寄附金」扱い

・一定の要件を満たせば「廃棄損」として全額損金算入が可能

・広告目的であれば「広告宣伝費」として処理できる場合もある



【原則:フードバンクへの食品提供は「寄附金」】


法人が、事業に直接関係のない者に対して、金銭や物品などの資産や経済的利益を無償で提供した場合、原則として「寄附金」に該当します(法人税法37条)


食品をフードバンクへ無償提供する行為も、基本的には

・金銭以外の資産の贈与

として「一般の寄附金」に該当します。


寄附金は損金算入自体は認められていますが、

支出先や法人の規模等に応じて「損金算入限度額」が定められており、限度額を超える部分は損金不算入となります。


中小企業にとっては、

「せっかく社会貢献をしているのに、税務上は全額損金にならない」

という結果になりやすい点が注意点です。



【例外:実質が廃棄処理なら「廃棄損」として損金算入】


ただし、一定の条件を満たす場合には、

フードバンクへの食品提供を「寄附金」ではなく「廃棄損」として全額損金算入してよいとされています。


ポイントは、「実質的に商品廃棄と同じかどうか」です。


税務上、廃棄損として認められるための主な要件は次のとおりです。


<廃棄損として認められる要件>


  1. 社内ルール等に従って廃棄予定の食品をフードバンクが回収するもので、実質的に法人における商品の廃棄処理の一環で食品が提供され


  2. フードバンクとの合意書で、提供した食品の転売禁止などのルールを定めており、提供した食品が目的外に使用されないことが担保されている、及び法人側でも提供した食品の使途が確認できる



これらを満たす場合、

「寄附金」ではなく「廃棄損」として、

提供に要する費用を損金算入してよいとされています。



【広告目的なら「広告宣伝費」になるケースも】


さらに、食品の提供目的が

・企業イメージ向上

・CSR活動の広報

・自社名や取組の認知拡大

といった広告・宣伝目的である場合には、

「広告宣伝費」として損金算入できる可能性もあります。


この場合のポイントは、

・単なる善意の提供にとどまらず

広告的効果が客観的に認められるか

です。


例えば、

・自社のCSR活動としてWebサイトやパンフレットで公表

・フードバンクの活動報告等で企業名が紹介される

といった実態があれば、広告宣伝費としての合理性が高まります。



【実務での整理:3つの区分をどう判断するか】


フードバンクへの食品提供は、次の3つに分けて考えると整理しやすくなります。


・社会貢献としての提供 → 寄附金(限度額あり)

・廃棄予定品の引取り → 廃棄損(全額損金)

・広報・PR目的 → 広告宣伝費(全額損金)


重要なのは、「名目」ではなく「実態」です。

社内ルール、契約書、提供の流れ、記録の残し方によって、

税務上の取扱いが大きく変わります。



【まとめ】


フードバンクへの食品提供は、社会的意義が大きい一方で、

税務上の取扱いを誤ると「損金にならない寄附金」になってしまう可能性があります。


・廃棄予定品であることを明確にする

・フードバンクとの合意書を整備する

・提供目的(廃棄・広告・寄附)を整理する


こうした実務対応を行うことで、

社会貢献と税務上の合理性を両立させることが可能です。


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