top of page
BLOG: Blog2

ベンチャーキャピタルから出資を受けるまでのプロセスとは?

  • 執筆者の写真: 智史 長谷川
    智史 長谷川
  • 2 日前
  • 読了時間: 4分

「資金調達したいが、どこから始めればいいのか分からない」


「ベンチャーキャピタルから出資を受けるには何が必要?」


そんな疑問を持つ中小企業経営者や起業家の皆さんへ。

本記事では、ベンチャーキャピタル(VC)から出資を受けるまでの流れを、7つのステップに分けて丁寧に解説します。


成功するためのポイントと失敗を避けるための注意点も併せて紹介します。



記事の要約


  • 出資を受けるには「資料作成」「信頼構築」「条件交渉」など複数の段階を踏む必要がある


  • 事業計画の明確さとVCとの相性が重要なカギ


  • 各ステップごとの落とし穴を事前に知ることで成功率アップ



ベンチャーキャピタルから出資を受ける7ステップ


1. 事業計画書・ピッチ資料の準備


最初に必要なのは、自社の強みを伝えるための資料です。以下のような情報を盛り込むのが基本です:

  • 会社概要と経営理念

  • 経営チームのプロフィール

  • 事業内容・サービスの独自性

  • 市場分析と競合との比較

  • 財務計画と収益モデル


補足:アピールのコツ

VCは「なぜ伸びるのか」を知りたがっています。将来性を明確に数値やデータで示しましょう。


よくある失敗

  • 市場規模や競合の情報が曖昧

  • 完璧主義で資料作成が遅れる


2. VCとのコンタクト


VCとの接点を持つ方法はいくつかあります:

  • 公式サイトからの問い合わせ

  • スタートアップイベントへの参加

  • 金融機関や知人からの紹介

  • VCマッチングサービスの活用


補足:相性を重視

VCごとに得意な業種や投資フェーズが異なるため、事前に調査して「相性の良いVC」を狙いましょう。


よくある失敗

  • 調査不足で相性の悪いVCにアプローチ

  • 連絡対応が遅く信頼を失う


3. プレゼンテーション・ヒアリング


資料提出後は、VCへのプレゼンと質疑応答を行います。ここで問われるのは、事業の本質と経営者の信頼性です。


ポイント

  • プレゼンは「簡潔+インパクト」で

  • 質問には誠実かつ的確に回答

  • リスクも包み隠さず伝える姿勢が大事


よくある失敗

  • 長すぎる説明で要点がぼやける

  • 楽観的な見通しに偏り、リスク説明を省略


4. デューデリジェンス(調査・審査)


VCは出資前に、提出資料の内容を裏付けるための調査を行います。調査は以下の視点で行われます:

  • 財務状況(決算書、資金繰り)

  • 法務(定款、株主構成、知財)

  • 事業面(競合優位性、再現性)


補足

求められた資料は速やかに、正確に提出しましょう。虚偽や遅延は即NGです。


よくある失敗

  • 情報が不正確

  • 潜在的リスクに対する準備不足


5. 投資条件の交渉・合意


デューデリジェンスを通過すると、次は条件交渉です。以下の項目が中心になります:

  • 出資額・株式比率

  • バリュエーション(企業評価)

  • 株主間契約(経営権、譲渡制限など)


補足

ここでは弁護士・会計士などの専門家と連携し、経営の自由度を確保しつつ、VCの意向も汲み取るバランスが重要です。


よくある失敗

  • 契約内容の理解不足

  • 重要な取り決めを口頭で済ませる


6. 契約の締結・資金の受け取り


条件合意後、投資契約書にサインして資金が振り込まれます。


ポイント

  • 契約内容は専門家のリーガルチェック必須

  • 資金の使途はあらかじめ明確化しておくこと


よくある失敗

  • 契約書をよく読まず不利な条項にサイン

  • 資金使途が不明確で信用を失う


7. 投資後の経営支援・EXIT戦略


資金調達がゴールではありません。VCは経営支援やEXIT(株式公開やM&A)を前提に動いています。


補足

  • 定期的に進捗を報告し信頼を築く

  • VCのネットワークや知見を活用する

  • EXIT戦略を共有し、一緒に成長を目指す


よくある失敗

  • VCとコミュニケーションを取らなくなる

  • 明確な出口戦略を描いていない



まとめ


ベンチャーキャピタルからの出資は、単なる資金提供ではなく、企業の成長を支える“パートナー”を得ることに他なりません。


準備・交渉・調査・契約…すべてのステップで「信頼」「戦略性」が問われます。


ステップ

内容

成功のポイント

1. 事業計画書・ピッチ資料の準備

会社情報、市場分析、財務計画などをまとめた資料を作成

成長性・独自性・経営チームの強みを具体的にアピール

2. VCとのコンタクト

VCと接点を持つ(紹介、イベント参加、マッチング等)

VCの得意分野や投資スタンスを事前に調査

3. プレゼン・ヒアリング

事業説明と質疑応答を通じて評価を受ける

簡潔でインパクトある説明+誠実な回答

4. デューデリジェンス(調査)

VCによる財務・法務・事業面の詳細調査

情報は正確かつ迅速に提出、潜在リスクを説明可能に

5. 条件交渉・合意

出資額・株式比率・契約内容などの交渉

専門家と連携し納得できる条件設定

6. 契約締結・資金受け取り

投資契約の締結と資金の振込

契約書のチェックと資金使途の明確化

7. 経営支援・EXIT戦略

VCとの協働による成長支援と最終的な出口設計

定期的な情報共有とEXIT戦略の明確化



試してみよう


  • 自社の事業計画書を第三者にチェックしてもらいましょう


  • VCごとの投資方針を調べ、自社に合う候補をリストアップしてみましょう


  • EXIT戦略(IPO、M&Aなど)を一度チームで話し合ってみましょう

最新記事

すべて表示
プレシード・シード・シリーズAとは?資金調達ステージ別の戦略

「資金調達って何から始めればいいの?」 「投資家に何を期待されるの?」 スタートアップの資金調達は、事業の成長フェーズに応じて必要な戦略が異なります。 プレシード・シード・シリーズA、それぞれのステージで求められる実績やアピールポイントを理解していないと、せっかくのチャンス...

 
 
スタートアップ資金調達、成功と失敗の分かれ道

資金調達がうまくいけば、事業は大きく飛躍。失敗すれば、夢は潰えるかもしれません ――スタートアップにとって資金調達はまさに“命綱”とも言えるプロセスです。 この記事では、実際の事例や統計を交えながら「成功するスタートアップ資金調達」と「失敗する資金調達」の分かれ道を、専門家...

 
 

​​

Hasegawa CPA Office

​東北/仙台市

Copyright ©  Hasegawa CPA Office All Rights Reserved.

bottom of page