プレシード・シード・シリーズAとは?資金調達ステージ別の戦略
- 智史 長谷川
- 6月6日
- 読了時間: 3分
「資金調達って何から始めればいいの?」
「投資家に何を期待されるの?」
スタートアップの資金調達は、事業の成長フェーズに応じて必要な戦略が異なります。
プレシード・シード・シリーズA、それぞれのステージで求められる実績やアピールポイントを理解していないと、せっかくのチャンスを逃すことにも。
この記事では、各ステージの特徴や戦略、投資家が重視するポイントを表や事例とともに徹底解説します。
記事の要約
各資金調達ステージには明確な目的と投資家の期待がある
プレシードでは「情熱とビジョン」、シードでは「仮説検証」、シリーズAでは「実績と成長戦略」が重要
ステージごとに異なる戦略で信頼を獲得することが資金調達成功のカギ
資金調達ステージ別の特徴と戦略
プレシード(Pre-Seed)ラウンド
プレシードは、事業アイデアが生まれたばかりの段階です。まだ製品も顧客もなく、創業者の熱意と将来のビジョンに賭ける投資フェーズです。
主な資金使途
アイデア検証
プロトタイプ(MVP)開発
初期メンバー採用
戦略ポイント
創業者のビジョンとチームの実行力をアピール
「なぜ自分たちがやるべきか」を明確に語る
シードラウンドにつながるストーリー設計
よくある質問
Q. 製品が完成していなくても投資してもらえますか?
A. はい、プレシードではビジョンとチーム力が評価されます。
シード(Seed)ラウンド
MVPが完成し、初期ユーザーの反応を得ながら市場検証を行うステージです。
主な資金使途
製品ローンチ
初期顧客獲得
市場調査・マーケティング活動
戦略ポイント
ビジネスモデルや収益性を説明できる資料を用意
投資家との信頼関係構築
J-KISSなど柔軟な調達手法の活用
よくある質問
Q. 実績がまだ乏しいですが、どのように資金調達すれば?
A. 初期ユーザーの声や市場ニーズの根拠を集め、仮説の説得力を高めましょう。
シリーズA(Series A)ラウンド
PMF(プロダクトマーケットフィット)を達成し、事業モデルが確立し始めた段階での本格的な資金調達です。
主な資金使途
組織拡大(採用)
本格的なマーケティング・販路開拓
サービスの改良とスケールアップ
戦略ポイント
顧客数、売上、成長率などの定量データで説得力を持たせる
市場戦略・競争優位性・収益性の明確化
投資家の懸念に応えるプレゼン準備
よくある質問
Q. シリーズAではVC以外にも出資してもらえますか?
A. はい、CVCや金融機関などとの連携も増えてきます。
ステージ別比較表
ステージ | 事業フェーズ | 調達額目安 | 主な投資家 | 主な資金使途 |
プレシード | アイデア・構想段階 | 数百万~数千万円 | エンジェル、知人 | アイデア検証、MVP開発、初期メンバー採用 |
シード | MVP完成・市場検証 | 500万~5,000万円 | VC、アクセラレーター | 製品ローンチ、市場調査、初期顧客獲得、仮説検証 |
シリーズA | PMF達成・拡大準備 | 数千万円~数億円 | VC、CVC、金融機関 | 組織拡大(採用)、販路拡大、マーケティング強化、設備投資 |
まとめ
プレシード・シード・シリーズAの資金調達は、スタートアップの成長と共に「情熱」から「実績」へとアピールポイントが変化します。
以下のような戦略設計が鍵となります。
プレシードでは「人とビジョン」に投資される
シードでは「仮説の精度と実行力」を証明する
シリーズAでは「実績と戦略性」で資金規模を拡大する
試してみよう
自社の資金調達ステージをチェックし、必要な成果・データを整理しましょう
各ステージで使える資金使途と成長ストーリーを言語化してみましょう
VCやエンジェル向けのピッチ資料をアップデートして、次の調達に備えましょう