非居住者から物件を借りるときの税務トラブル防止策
- 智史 長谷川

- 8月21日
- 読了時間: 2分
最近、ニュースやSNSで「外国人オーナーから物件を借りたら突然100万円請求された」という話題が取り上げられました。
実はこれは珍しいことではなく、「貸主が非居住者である場合」に誰にでも起こり得るトラブルです。
特に、
法人がオフィスや社宅を借りる場合
個人事業主が事業用に物件を借りる場合
には注意が必要です。この記事では、その仕組みと具体的な対策を分かりやすく解説します。
記事要約
非居住者(海外在住の個人や外国法人)から物件を借りる場合、借主に源泉徴収義務(20.42%)が発生する。
義務を怠ると、借主自身が滞納税額を請求されるリスクがある。
居住用賃貸は例外だが、法人利用・事業用では対象となる。
記事本文
非居住者オーナーと源泉徴収の仕組み
日本の税法では、貸主が非居住者の場合、借主が税金を代理で納める義務があります。
家賃10万円なら2万420円を天引きし、残額を送金
翌月10日までに税務署へ納付
この「源泉徴収」を怠ると、借主に直接追徴課税されます。
よくある誤解
「外国人オーナー=必ず対象」ではない → 日本に居住していれば対象外。
「個人の住居用は関係ない」 → 居住用は例外だが、社宅契約や事務所利用は対象。
※非居住者の定義について
実際に起きたトラブル例
会社員が副業で法人を設立し、非居住者オーナーから事務所を借りた
源泉徴収を知らずに5年間支払い続けた
税務署から約100万円の追徴請求
「家賃を払っていたのに、さらに税金を請求される」ことになり、大きな負担となります。
課題に対する対策
契約前に確認する
貸主が「居住者」か「非居住者」か必ず確認
書面や登記事項証明で裏付けを取る
仲介会社を利用する
管理会社経由なら、仲介会社が源泉徴収を代行するケースあり
直接契約よりリスクが低い
手続を正しく行う
源泉徴収税額は翌月10日までに納付
半期まとめて納付する「納期の特例」も利用可能
法人や個人事業主は「支払調書」の提出も必要
まとめ
非居住者から物件を借りるときは借主が納税義務者
法人・事業用賃貸では要注意
契約前の確認と専門家への相談がトラブル防止につながる
知らなかったでは済まされない制度ですが、正しく理解して対応すればリスクは回避できます。
