会計freeeを最大限活用するための「必ず実施すること」と効率化のヒント
- 智史 長谷川

- 7月11日
- 読了時間: 4分
会計freeeをスムーズに運用し、日々の業務負担を大幅に軽減するには、最初の設計とルール作りが非常に重要です。このページでは、当事務所が推奨する「必ず実施すべきこと」と「効率的な運用のポイント」をご案内します。
要約(ポイント)
口座連携・自動取得の徹底で記帳作業を極限まで減らします
法人と個人の支出を完全に分離し、ミスと工数を削減します
freeeの機能(自動登録・テンプレート・OCR)を最大限に活用することで、記帳精度とスピードを両立します
【必ず実施していただくこと】
1. 口座連携の徹底
会計freeeの強みは、明細の自動取得による記帳の効率化です。次の対応をお願いします:
銀行口座、クレジットカード、Amazon・アスクル等の購買サイトはすべて口座連携を行ってください
明細の自動取得ができない口座は使わないことが原則です
2. 法人専用口座・クレカの作成と「完全分離」
法人専用の銀行口座・クレジットカードを必ず作成してください
個人の支出と法人の支出を完全に分離することで、取引の登録や記帳チェックが非常にスムーズになります
3. 口座・カードの「極限までのシンプル化」
管理の効率化のため、口座は銀行1つ、クレカ1つが理想です
複数あると仕訳が煩雑になり、業務負荷が増えます
4. レジ・EC決済も口座連携
店舗の場合はPOSレジのアカウント(例:Airレジなど)
ECサイト利用の場合はイプシロン等の決済口座も連携してください
5. 現金・立替払いを極力なくす
現金支出や役員立替は取引登録の手間やミスが多く発生します
銀行引き落としや法人クレカ払い、Amazon購入などを活用し、現金の出番を最小限に
【使用ツールの指定】
人事労務freee
給与計算から社会保険対応まで一元管理でき、会計freeeと自動連携されます
freee請求書
請求書をfreee内で作成することで、売上の会計処理が自動連携されます
【取引登録を効率的にするためのルール】
自動登録ルールの活用
毎月同じ内容の支払い(家賃、通信費など)はルール設定により自動で登録できます
取引テンプレートの活用
1つの支出に複数の勘定が含まれる場合(例:借入金の元利返済)は、テンプレート機能で毎回の仕訳を効率化できます
現金使用の削減(再掲)
現金は手間もミスも多いため、カード決済やネット購入を基本に
購買活動のパターン化
消耗品はAmazon、事務用品はアスクル、のように購買チャネルを固定化すると登録が簡単になります
ファイルボックス(OCR)機能の活用
領収書・請求書をスマホで撮影 or PDFアップロード → 自動で仕訳候補を作成してくれます
書類の保存・確認の手間が激減します
会計freee導入・運用の必須対応一覧表(上記のまとめ)
項目カテゴリ | 内容 | 理由・ポイント |
口座連携 | 銀行口座、クレジットカード、Amazon・アスクル等をfreeeに連携 | 自動で明細取得され、記帳が圧倒的に楽になります |
自動取得できない口座は使わない | 手動入力の手間・ミスが増えるため非推奨 | |
法人と個人の分離 | 法人口座・法人クレカを必ず作成 | 支出の混在を防止、正確な会計処理が可能 |
個人口座・カードは使用しない | 誤登録や精査作業が発生する原因に | |
口座の集約 | 銀行口座・クレカともに1つに絞るのが理想 | 管理がシンプルになり、登録・確認が容易 |
決済アカウントの連携 | POSレジやEC決済(イプシロン等)も口座連携 | 売上・入金の記録漏れを防ぐため必須 |
現金使用の抑制 | 可能な限り現金・立替を使わない | 手入力の必要があり、ミスの温床になる |
Amazon購入や口座引落、法人クレカを活用 | 自動登録の対象になるため、効率的 | |
使用ツール | 人事労務freeeを導入 | 給与・社保情報が会計freeeに自動反映される |
freee請求書を使用 | 売上と会計がシームレスに連携。手間・ミス削減 | |
自動登録ルール | 毎月同じ支出(例:家賃)はルール化 | 毎回の登録が不要。確認作業だけで済む |
取引テンプレート | 複数勘定のある取引(例:借入返済)に使用 | 元利分離など複雑な仕訳も正確に処理できる |
購買の統一 | 消耗品はAmazon、事務用品はアスクルなど購入先を統一 | 仕訳ルールが作りやすく、精度も安定する |
ファイルボックス活用 | 領収書や請求書はスマホ撮影 or PDFアップロード | OCRで読み取り→自動仕訳候補作成で時短可能 |
よくあるご質問(FAQ)
Q:なぜ銀行口座やクレカを1つに絞る必要があるのですか?
A:freeeでの取引確認・登録が非常にスムーズになるためです。複数あるとルール設定や確認が煩雑になり、業務効率が下がります。
Q:現金はどうしても使う場面がありますが、どう対応すれば?
A:極力避けるのが前提ですが、使った場合はレシートをすぐ撮影し、freeeに登録してください。立替払いの場合は誰が支払ったかの明記も重要です。
Q:freee請求書は必須ですか?
A:はい。freee請求書を使うことで、売上と入金管理、会計処理の連動が自動化され、ミスや漏れを防げます。
まとめ
会計freeeの導入・運用においては、「自動取得できる仕組みを整えること」と「ルールを徹底してシンプルに保つこと」が成功のカギです。
導入時に多少の準備は必要ですが、初期設計をしっかり行えば、以降の経理業務は「記帳の自動化」と「確認だけで済む運用」が実現します。
