top of page
BLOG: Blog2

銀行が融資を出しやすくなるタイミングとは?資金調達成功の鍵を知ろう

  • 執筆者の写真: 智史 長谷川
    智史 長谷川
  • 6月30日
  • 読了時間: 5分

「今、融資を申し込むべきか、それとも少し待ったほうがいいのか…」


資金調達を考える中小企業の経営者や個人事業主の多くが、このような悩みを抱えています。

銀行融資は事業を安定させ、拡大させるための重要な資金源ですが、銀行にも「出しやすいタイミング」があることをご存知でしょうか?


記事では、銀行が融資を前向きに検討しやすいタイミングや状況、そしてそのタイミングを活かすための実践的なポイントをご紹介します。



記事の要約


  • 銀行が融資を出しやすくなるのは「信用」「業績」「制度」の3条件が重なるとき

  • 決算直後や制度変更のタイミングが狙い目

  • タイミングを活かすには「準備」と「情報収集」がカギ



銀行融資が出やすくなるタイミングとは?


銀行が融資に前向きになる背景


銀行は融資先の信用リスクを慎重に見極めたうえで資金を貸し出します。

つまり「貸しても返ってくる」と判断できる企業に対してのみ融資が通りやすくなりますが、以下の3つの視点から「今が出しやすい」と判断されることがあります。


  1. 信用が高まるタイミング

  2. 業績が良く見えるタイミング

  3. 融資制度や政策が追い風になるタイミング


以下、それぞれについて詳しく見ていきましょう。


信用が高まるタイミング


決算書ができた直後

決算書は銀行が融資判断をするうえで最も重要な書類です。

特に、黒字決算で税金をしっかり納めていることが確認できれば、財務体質が健全と評価されやすくなります。


狙い目: 決算確定後、税務申告を終えた直後〜2か月以内

ポイント: 決算直後は「最新情報が整っている」ため、銀行が判断しやすく、好印象を与えやすい時期です。


税金をしっかり納めたあと

法人税や消費税などの納税を自己資金できっちり済ませていることは、企業の資金繰りが計画的に行われているとの判断材料になります。延滞があった場合は、銀行が警戒感を強めるため、計画的な納税が信頼構築には必須です。


業績が良く見えるタイミング


売上や利益が伸びた直後

たとえば新規契約が続いたり、好調な受注が続いているタイミングでは、将来のキャッシュフローが見込みやすくなり、融資判断にポジティブな材料となります。


大型取引・新規顧客獲得時

名の知れた企業や自治体との取引が始まると、「経営の安定性」が評価されやすくなります。これを材料にして資金調達を進めるのは非常に有効です。


事例紹介:地元企業との大型契約が決まった設備業のA社は、契約書を添付して追加融資を申請。将来的なキャッシュインが担保されるとして、迅速に1,000万円の運転資金が実行されました。


融資制度や政策の追い風があるタイミング


国や自治体の支援制度開始時

たとえば以下のような制度が発表されたタイミングは、審査が通りやすくなったり、金利優遇が受けられるケースがあります。

  • 日本政策金融公庫の特別融資

  • 地域の信用保証協会の保証枠拡大

  • 事業再構築補助金に伴う融資枠の確保 など


金融機関の「融資枠増強時」

3月(年度末)や9月(中間期)などの「期末」は、金融機関の融資実績の確保を意識した動きが見られます。

この時期は、銀行側も「良い案件は積極的に取りたい」という姿勢を強める傾向があるため、申請時期として有利です。


タイミングを活かすための実践ポイント


1. 決算書・試算表を早めに整える


特に融資申請時に必要な以下の資料は、最新のものを常に準備できるようにしましょう。

資料名

説明

決算書(3期分)

PL、BS、附属明細書付き

試算表(月次)

直近の売上・利益動向が分かる

資金繰り表

入出金予定が明確になる


2. 使い道と返済計画を明確にする


「何のために借りて、どう返すか」が明確であればあるほど、銀行側も安心して融資判断ができます。特に、以下のような用途は好印象です。

  • 設備投資(生産性向上)

  • 売上拡大のための広告宣伝

  • 原価率低減のための仕入資金


3. 金融機関との「日頃の関係性」も大切


普段から取引のある銀行には、月次の試算表を提出したり、経営の見通しを共有しておくことで「信頼残高」が貯まっていきます。これが緊急時の融資実行を早めることにもつながります。



よくある質問(Q&A)


Q. 銀行に融資を申し込むベストな月はありますか?

A. 3月・9月は銀行側の期末であるため、積極的に融資案件を取りやすい時期とされています。ただし、企業側の業績や準備状況が整っていることが前提です。


Q. 赤字決算でも融資は受けられますか?

A. 可能ですが、その場合は「赤字の理由」と「今後の黒字化計画」が重要です。たとえば先行投資による一時的赤字であれば、前向きに評価される可能性もあります。


Q. 初めての融資申請で気をつけることは?

A. 「自己資金の投入割合」と「返済可能性」を重視されます。いきなり満額を狙うのではなく、必要最小限で計画的に申請することが信用構築につながります。



まとめ


銀行が融資を出しやすくなるタイミングを知っておくことは、資金調達成功の大きな鍵となります。

特に「信用」「業績」「制度」の3つの側面で“整った時”を狙うことで、融資成功の確率は大きく高まります。

経営者にとっては、常に「準備」と「情報収集」を怠らない姿勢が求められます。



試してみよう


  1. 次回決算直後に融資の打診をしてみよう → 税務申告後2か月以内が狙い目です。

  2. 日頃から取引銀行に試算表を提出しておこう → 月次の関係構築が「緊急時のスピード」に直結します。

  3. 国や自治体の制度融資情報を定期チェックしよう → 商工会議所や自治体のWebサイトなど


最新記事

すべて表示
金融機関の心をつかむ「事業計画書」の作り方

「銀行に事業計画書を出したけど、反応がいまいちだった…」 「融資の審査がなかなか通らない」。 中小企業や個人事業主が資金調達でつまずく大きな原因のひとつが、“伝わらない事業計画書”です。 事業に自信はあっても、それを数字と説得力で語るのは簡単ではありません。...

 
 
銀行融資 vs ベンチャー投資:あなたに合うのはどっち?

起業や事業拡大のタイミングで直面する最大の壁のひとつが「資金調達」です。 その際によく検討される手段が「銀行融資」と「ベンチャーキャピタル(VC)などの出資」ですが、どちらを選べばいいか疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。...

 
 

​​

Hasegawa CPA Office

​東北/仙台市

Copyright ©  Hasegawa CPA Office All Rights Reserved.

bottom of page