top of page
BLOG: Blog2

防衛特別法人税とは?2026年導入の新税制を徹底解説

  • 執筆者の写真: 智史 長谷川
    智史 長谷川
  • 6月18日
  • 読了時間: 3分

2026年4月から始まる「防衛特別法人税」。

日本の安全保障強化を目的に、企業の税負担がどう変わるのか、多くの経営者や財務担当者が注目しています。


この記事では、制度の仕組みや影響、今後の注意点まで、分かりやすく解説します。

新税制への備えや経営判断に役立つ情報をぜひご覧ください。



記事要約

  • 防衛特別法人税は、防衛費増額の財源確保を目的に2026年4月から導入される新たな付加税です。

  • 法人税額が500万円を超える企業に対し、法人税額の4%が追加で課税されます。

  • 多くの中小企業は基礎控除により対象外ですが、大企業には実質的な税負担増が生じます。


防衛特別法人税とは


概要

防衛特別法人税は、日本政府が防衛費増額のため2026年4月1日以降に開始する事業年度から導入する新たな付加税です。

法人税額に対して4%が追加課税され、その税収は全額防衛費に充てられます。


導入の背景

  • 日本の安全保障環境の変化(中国・北朝鮮の軍事活動、ロシアのウクライナ侵攻など)

  • 2022年12月の国家安全保障戦略で防衛費をGDP比2%(約43兆円)へ増額する方針

  • 社会保障費増加やコロナ対策による財政圧迫の中、恒久的な財源確保が急務となった。



税制の仕組み


課税対象

  • 法人税額が500万円を超える法人(主に大企業や中規模企業)が対象

  • 基礎控除(500万円)が設けられるため、ほとんどの中小企業は課税対象外


税率・計算方法

項目

内容

税率

法人税額の4%

基礎控除額

500万円

適用開始

2026年4月1日以降の事業年度から

課税対象となる所得額

普通法人:約2,160万円、中小法人:約2,440万円 ※中小法人は特例により法人税率23.2%のところ、所得800万円までは税率15%が適用されるため金額相違

  • 計算式:防衛特別法人税額 =(法人税額 - 500万円)× 4%


具体例

  • 課税所得2,160万円(普通法人)→ 法人税額5,011,200円 → 防衛特別法人税額448円

  • 課税所得2,440万円(中小法人)→ 法人税額5,004,800円 → 防衛特別法人税額192円


申告について

  • 国税庁から新たに申告書様式が公表されました。

  • 防衛特別法人税が課税されない法人も新様式に記載して提出する必要があります。




企業・経済への影響


  • 対象企業は税負担が増加し、キャッシュフローや投資計画の見直しが必要

  • 大企業では増税負担が大きく、国際競争力やコスト転嫁による価格上昇の懸念も指摘

  • 多くの中小企業は基礎控除により課税対象外



今後の見通しと留意点


  • 防衛特別法人税の終了時期は未定で、恒久的な税制となる可能性あり

  • 経済状況や防衛政策の変化で税率見直しや新たな増税策の検討もあり得る

  • 企業は税務対策や資金計画の見直しが求められる



まとめ


防衛特別法人税は、日本の安全保障強化と防衛費増額を支える重要な税制改正です。

大企業を中心に追加的な税負担が求められますが、中小企業には配慮されています。

今後の経済・政策動向によって制度内容が見直される可能性もあるため、最新情報の確認が重要です。

関連記事

すべて表示
AIエージェントが同僚になる日:2026年に訪れる「スーパーカンパニー時代」

ニュース概要 (出典:日本経済新聞 2025年11月9日) 日本経済新聞のコラム「AIエージェントが雇用直撃 2026年はスーパーカンパニー出現か」(村山恵一氏)は、2026年に本格化する“AIエージェント”の登場が、雇用や会社の形を大きく変えると伝えています。 AIが人間の代わりに考え、計画し、実行する時代がいよいよ現実になろうとしています。 AIエージェントとは?「指示待ちAI」から「自分で動

 
 
不動産特定共同事業の分配金 ― 「任意組合」と「匿名組合」で税金が変わる!

最近、「 少額から不動産に投資できるサービス が増えています。 こうした仕組みは「不動産特定共同事業(不特事業)」と呼ばれますが、実は 契約の形によって、投資家の税金の扱いが大きく変わる ことをご存じですか? 今回は、不特事業の2つの契約形態──「任意組合」と「匿名組合」──の違いと、税金への影響をわかりやすく解説します。 要約 不特事業は、不動産をみんなで出資して運用・分配する仕組み。 契約の形

 
 
東京高裁が判断「保険外交員にも個人事業税」

ニュース概要 (出典: 東京高等裁判所 2025年10月02日(令和7年(行コ)第105号) ) 2025年10月2日、東京高等裁判所は、 保険外交員が受け取る報酬に対して個人事業税を課すことができる と判断しました。 原告となった保険外交員19名が東京都の課税処分の取消しを求めていましたが、東京地裁に続いて高裁でも敗訴。 つまり、「外交員の仕事は地方税法上の“代理業”にあたるため、個人事業税の対

 
 

​​

Hasegawa CPA Office

​東北/仙台市

Copyright ©  Hasegawa CPA Office All Rights Reserved.

bottom of page