最近、弁護士の伊藤真先生の講義をWebで聴く機会があった。
講義やセミナーは大抵、参考にはなっても何度も繰り返し聞きたいと思うほどのことはない。
しかし、「憲法」といういかにもなテーマで何度も聞きたい講義に遭遇した。
学生時代に、健康医学の川崎先生以来だろうか?。。
そもそも憲法について学ぶことも必要性も感じたことはほとんどなかった。
憲法9条の改正が問題になった数年前に気にかけた程度で、自分自身の生活には憲法を知らなくても影響がなかったからだ。
それもそのはず、憲法には強者(国家や多数派)から弱者(少数派)を守るための重要な役割があるからで、私自身はこれまで何不自由なく生活してこれた"多数派"だったからかもしれない。つまり、憲法を意識しなくても、普通に幸せに生活してこられた、この点に初めて気がついた。
人はいつでも病気や事故、失業等々で弱者になる可能性がある。そのことを理解し、多数派であっても想像力をもって憲法を学ぶことに意義があるのだと教えていただいた。
憲法の必要性について、このような話をされてます。
「民主主義は、多数派の意見が尊重される。しかし、多数派が常に正しいわけではない。人権(特に少数派の)など多数意見でも奪えない価値があるはずなので、あらかじめルール(憲法)を決めて多数意見に歯止めをかける必要がある」
憲法と法律の関係性について、憲法は全ての"法律の最上位の存在"だと思っていたが、実はそれは誤りでした。憲法は"国民が国家に制限を課すもの"、法律は"国家が国民に制限を課すもの"、つまり、憲法は国民が守らなければならないものではなく、国家に守らせる"国民の権利"という位置づけだ。(納税の義務など、憲法には国民の義務が一部記載されているが、憲法の論理からは外れており、本来記載されるべきものではないとのことでした)
そして、この国民の権利は主張しなければ消えてしまう、権利行使するにはしっかり意思をもって主張しなければならない。自己や他者の権利を正しい意思をもって主張するところに憲法を学ぶ意義があるのかもしれない。
他にもたくさん素晴らしい話がありましたが、憲法の意義に関しての気づきを簡単に記録しておきます。
Comments